日経平均は移動平均を上抜けてから10%上昇する確率は何%ありますか?

移動平均上転換

転換後1日目終値から最終日(マイナス転換前日)終値まで

※1日のみで転換する場合除外 ※2004年~2018年のデータを集計 ※標準偏差は年率換算していません
平均騰落率
S&P500 +1.82% 日経平均 +2.49%
標準偏差
S&P500 +2.94% 日経平均 +4.69%

 

S&P500

0.029431 33 93
0.058862 1 21
0.088293 0 8
0 6

 

期中の収益率がマイナスになった回数が34回ある。

 

日経225

0.046993 46 83
0.093986 0 14
0.140979 0 9
0 7

 

一方日経もマイナスの収益率が46回ある。

 

転換後2日目終値からマイナス転換初日終値まで

※1日のみで転換する場合除外

平均騰落
S&P500 +0.15% 日経平均 +0.24%
標準偏差
S&P500 2.84% 日経平均 4.25%

 

S&P500

0.028428 95 35
0.056857 8 14
0.085285 1 8
0 1

 

日経225

0.042545 110 23
0.08509 4 10
0.127635 1 7
0 4

以上のようにデータだけで見ると移動平均がゴールデンクロスしてから買い始めれば充分利益がでることになりそうだが、
実際は移動平均が転換したことを確認してから買い始め、またマイナス転換してから決済をすることになり、そうすると平均値で言うとほぼ儲からない。とは言え、大きく損をすることもない。
従って、利益をとっていくにはマイ転するまで持ち越すことなく期中で利益がとれるところで決済をするほうがいいことになる。
では、実際どれくらい上昇するものだろうか?

転換後8日以上移動平均以上継続の場合最大値

(プラ転後終値からの騰落率)

標準偏差
S&P500 3.68% 日経平均 5.81%

 

S&P500

3.68% 1 73
7.36% 0 17
11.04% 0 3
0 1

 

日経225

5.81% 0 48
11.62% 0 22
17.43% 0 8
0 5

移動平均を上回った場合どれくらい上昇するのか

上記は8日以上移動平均を上回った場合の結果であるが、どれだけ大きくとりにいくかという観点からはそれより短い継続日数だとそもそも大して上昇しないので計算にいれても同じであるから除外した。
S&P500では4%~5%を目安にすると約20回以上の出現率 移動平均+の出現率自体が162回なので約1割強の確率で4%程度はとれそうである。
一方日経では5%~6%を目安にすると約30回以上の出現率 移動平均+の出現率自体が159回なので約2割の確率で5%程度はとれそうである。

 

 

移動平均下転換

転換後1日目終値から最終日(プラス転換前日)終値まで

※1日のみで転換する場合除外 ※2004年~2018年のデータを集計 ※標準偏差は年率換算していません
平均騰落率
S&P500 -1.09% 日経平均 -2.13%
標準偏差
S&P500 2.68% 日経平均 4.37%

 

S&P500

0.02686 83 56
0.053721 11 1
0.080581 8 0
3 0

期中の収益率がプラスになった回数が57回ある。

 

日経225

0.043797 69 49
0.087593 13 0
0.13139 8 0
4 0

一方日経もプラスの収益率が49回ある。

 

転換後2日目終値からプラス転換初日終値まで

※1日のみで転換する場合除外

平均騰落
S&P500 +0.45% 日経平均 -0.04%
標準偏差
S&P500 2.64% 日経平均 4.02%

 

S&P500

0.02644 17 112
0.05288 9 16
0.07932 5 0
2 0


日経225

0.040292 17 104
0.080583 12 3
0.120875 6 0
1 0

 

転換後8日以上移動平均以下継続の場合最大値

(マイ転後終値からの騰落率)

標準偏差
S&P500 5.03% 日経平均 5.81%

 

S&P500

5.03% 45 0
10.07% 13 0
15.10% 5 0
4 0


日経225

 

6.62% 42 0
13.25% 20 0
19.88% 8 0
1 0

移動平均を下回った場合どれくらい下落するのか

S&Pも日経も移動平均を下回った事を確認して2日目から、プラス転換初日終値までの騰落率をみると実はプラスの収益率になる場合が多く、特にS&Pは平均騰落がわずかだがプラスで終わっている。
この事から移動平均を下回って漫然と売っても利益になりにくい。従って移動平均上の場合よりも一層期中で決済したほうがいいことになる。

移動平均マイ転後初日終値からの最安値平均は約-2.39%

最安値の平均は-2.39%で、標準偏差は約4.06%である。

-2σ以下、つまり約-4%以下の下落発生回数は合計29回。

移動平均以下が8日以上継続する場合の最安値約-5.15%

S&Pは5%~6%の下落を目安にすると約20回の出現率で確率的には移動平均を上回った場合と変わらない。
日経平均は6%~7%の下落を目安にすると約30回以上の出現率でこれも移動平均を上回った場合と確率的に変わらない。

とは言え、平均でプラスになってしまう事のあるS&Pの場合、-4σを超えるような大きな下落を加味した上でプラスの平均になってしまうのでそのような大きな下落をとらずに最大でも6%で決済をしているとトータルで損失になることも予想される。

 

移動平均以下での-4σ発生回数

S&P500日経225ボラティリティ2004~2018
とは言え、移動平均以下ではボラティリティが上昇する傾向にあることは顕著である。
2004年から2018年の日々の騰落を集計した結果3σを超える騰落の発生確率はS&Pで約1.85%、日経225で約1.46%の割合となる。
これは標準正規分布で言えば約0.3%であるからかなり多い割合である。このことは株式などは正規分布しないこととして一般的には知られている。
さて、ただでさえ多いこの3σを超える部分の発生頻度を移動平均でみると興味深い結果となる。
S&P500
※-3σを超えるものを-4σとする
合計発生回数 39回 内移動平均以下での発生回数36回(内前日移動平均以上7回) 実質39回中29回が移動平均以下で発生
発生割合 約74.3%

日経225
合計発生回数 34回 内移動平均以下での発生回数31回(内前日移動平均以上4回) 実質34回中27回が移動平均以下で発生
発生割合 約79.4%

S&P500の移動平均以下の発生回数は約220回で、そのうち29回-4σが発生しているとすると約13%の発生確率となる。
もっとも、短期間に頻繁に発生する時や(リーマンショック時など)数年に渡り発生しない時などがある。
いずれにせよ、移動平均を上回っている時の発生確率は移動平均以下で推移している時より少なく概ね3分の1といったところである。

移動平均以下でプットオプションを買ってみる

3σを超えるような騰落の発生確率は意外に高いことがわかったが、多いとは言えその確率は1%台であり、またまったく起きない年もある。しかし、3σ超に限らず、3σ及び2σでも充分大きな下落である。しかもそれが1日の下落であるからそのインパクトは大きい。
仮にボラティリティが1%だったとすると(2004年~2018年のS&P500のボラは約1.15%)2σを超えるか超えないかの下落は2%程度の下落になり、S&P500が3200ドルだとすると約64ドルほどの下落となる。日経平均が24000円だとすると480円と500円ほどの下落となる
このような下落(2%以上の下落)は2004年から2018年の間で100回を優に超えるほど発生している。つまり1年になんと7回は発生している計算となる。

そして1日に2%程度も下げるとオプションのIVは急騰し、オプション価格は数倍になることもザラである。

例えば日経平均の移動平均以下の発生回数は約200回程度であるが、そのうち31回-4σの下落が発生していることとなり発生確率は約15%となる。
移動平均を下回ったら機械的にプットオプションを買い続けると、オプション価格が7倍になればペイするということである。
もっとも、前述のように移動平均転換後1日目は除外すると分母は約160回ほどとなりさらに確率はあがる。
また、-3σを超えるような下落がなくとも-3σや、あるいは-2σが複数回発生する場合もあるし、オプションが全損する場合ばかりではない。
オプションのIVが想定ボラティリティより低い状態に買うことができれば、ケリー基準的に言えばエッジがあることになり、その分リターンが大きくなり確率は低くてもトータルで見ると充分利益が出そうである。
また、オプション価格を計算する際にもっとも多く使われているとされるブラックショールズ計算式は標準正規分布することを前提としている。つまり、S&P500や日経平均のボラティリティのデータからすればブラックショールズでは正確なオプション価格は計算できないこととなり、逆に言えばここにもエッジが存在していることになる。