暴落した場合に備えてSPAN証拠金の計算方法を知って追証を免れよう

2021年3月7日

2020年7月にSPAN証拠金の計算方法そのものが見直しされ、概ねこれまでの証拠金の1.4倍程度になったようだ。
これは計算対象期間をこれまで1日だったものを2日にしたことが大きいようである。2の平方根は1.4
先物・オプションの取引証拠金の水準が引き上げられます

SPAN証拠金の簡易計算

オプション1枚売った場合
①日経平均VIの1日ボラを大体8倍する ※30%の場合 30/15.8=1.89 1.89*7.8=14.74 14.74%

①日経平均VI指数を19.1で割り1営業日ボラを出す。それに15.8をかけて250日ボラに換算。それに1.4(2日変動分)をかける。
②プライススキャンレンジの分翌日日経平均が変動したとしたら、当該オプションがいくらになるかを①の換算IVを使って計算する。
③②のオプション価格に売りオプションの価格を加えたものが概ね損失額となる。
※プライススキャンレンジが150万だと1500円変動するという意味。1500円変動するとして当該オプションが700円の価格になるとしたら最低70万プラスアルファがおおむね証拠金となる。
これに例えばヘッジでミニ1枚売っていた場合などはその分証拠金から加減算される。

プライススキャンレンジの算出が基本

日経平均株価グループにおけるプライス・スキャンレンジについて、基準日(毎週最終営業日)における日経平均株価終値が14411.86で、ボラティリティ・インデックスが26.30であったとします。上記数式に当てはめると、以下の式が得られます。

(26.30 ÷ 100) ÷ √250 × 2.58 × 14411.86 ≒ 618.48

この数値について、30の整数倍に切り上げた結果(630円)の1,000倍である630,000円が、 基準日の翌週に適用されるプライス・スキャンレンジとなります。(この場合、日経225miniの建玉1単位に必要な証拠金は、63,000円(プライス・スキャンレンジの10分の1)です。)

SPANパラメーターの臨時見直し制度 ※翌営業日の証拠金計算から適用
※「あらかじめ定めた範囲」とは、当社が指定する各商品グループに適用されているプライス・スキャンレンジ基準値の90%を指します。例えば、日経平均株価グループのプライス・スキャンレンジ基準値が\900であれば、日経平均株価が\810(=\900×0.9)超変動した場合に当該商品に係るSPANパラメーターの見直しを行います。

まずプライススキャンレンジの設定が基本となっているようだ。
このレンジにはあのVI指数が利用されているようである。
プライススキャンレンジは要するに日経平均がどれくらい動くかの基準となる数値であると理解してよい。

スキャンリスクで最大損益を想定

スキャンリスクは16のシナリオを想定して最大損益額を見積もっているようである。プライススキャンレンジに一定の割合をかけて日経平均の価格を想定し、その価格になった場合に、IVとボラティリティスキャンレンジによってオプション価格を算出した場合の損益額を算出する。
シナリオをみてみると
https://www.jpx.co.jp/jscc/seisan/sakimono/shokokin_seido/cimhll0000000g1u-att/SPAN-keisaihouhou.pdf

最大損失額が証拠金の基準となるのですべてのシナリオについて計算する必要はない。
コールについてはシナリオ11のプライススキャンレンジいっぱい上昇及びボラティリティスキャンレンジ分上昇か15の極端に上昇及びボラ不変
プットについては13のプライススキャンレンジいっぱい下降及びラティリティスキャンレンジ分上昇か16の極端に下降及びボラ不変
だけ計算すればよい。シナリオ15と16については最大損失の一定割合に減価して計算する。
また、オプションでの損失額は翌日に各シナリオで(原資産価格とボラ)ブラックショールズ計算式で計算したオプション価格と比較して損益を計算する。

ボラティリティ変動を表すボラティリティ・スキャンレンジについては、過去のボラティリティ変動を参照するパラメーターの決定方法(保有期間1日、参照期間少なくとも54週間、信頼水準99%で計算)を採用しています。

ボラティリティスキャンレンジについては日経平均の過去54週の1日ボラを2.58倍したものだと推測。
従ってIVが極端に上昇するいわゆるアホボラのようなことは想定していない。
※保有期間は1日から2日に変更になった

計算方法ざっくりまとめ

日経平均-(プライススキャンレンジ*シナリオ) ⒶIV+ボラティリティスキャン

①プライススキャンレンジが630円 シナリオ13だと3/3要するに630円を日経平均から引く 翌日の日経平均がこの価格と想定
②この日経平均の価格の時に当該オプション価格をⒶのIVで算出する
②の価格のときの売り方の損失額が証拠金

 

先物1枚で100万円のプライススキャンレンジだとすると、要するにそれくらいは5営業日で動くことを想定していると言い換えてもいいだろう。
SPANは翌日の最大損益を想定して証拠金を算出するのが趣旨らしいので、結果、翌日動く幅ということになるようだ。

ということは約1000円であり、日経平均2万円だとすると5%の変動ということになる。
5営業日で5%ということは、250営業日で35%の変動になる。
1日で5%の変動だと250日換算80%近いボラになるが、1日のボラに2.58を乗じているので(標準正規分布だと仮定したうえで99%点を算出するために2.58を乗じている。要するに±3σまで変動を見込もうとしているのだろう)結果5%程度なり、それを想定し、かつ、シナリオではその3倍※注1も見込んでいるようだ。Option Trader — SPAN 証拠金とVBA
もっともシナリオ15、16では損失額を30%※注2に修正するらしい。
※注1,2 日本証券クリアリング機構のSPAN 証拠金計算方法の解説(https://www.jpx.co.jp/jscc/seisan/sakimono/)には明確な数字は記載されていないので適時変更されるのかもしれない。

5/11日からの週のプライススキャンレンジは102万円である。楽天証券の証拠金シミュレーションのスキャンリスクは104000円である。
5/8日の日経平均終値は約19500円であり、日経平均VI指数は30.35である。
日経平均の245日ヒストリカルボラティリティは約1.49%で、年率(250日)換算約23.55%である。

ちなみにこれをプットの売り1枚に変更してみると※計算時は5/16日

 

 

コールを売ってみると

 

https://www.rakuten-sec.co.jp/MarketSpeed/onLineHelp/msman2_3_3.html

コンポジットデルタ(δ)
当該銘柄の各シナリオにおける理論価格から計算したデルタ・ウェイトで加重平均した数値をいい、取引所が算出・配信するものをいう。

要するに各銘柄のデルタのことを言っているようである。

デルタ・ウェイト
各シナリオの発生確率で、取引所の定める数値をいう。SPANパラメーターの1つ。
デルタ(δ)スケーリング係数
1単位の取引規模の差異を調整するための数値をいう。SPANパラメーターの1つ。

ミニ先物は0.1であり、オプション1枚は1であり、要するにオプション1枚は先物1枚と同じである。

スキャンリスク
銘柄ごとに16通りのシミュレーションを行い、当該商品グループごとのポジション予想最大損失をいう。
限月間スプレッド割増額
各限月取引の価格変動の差により生じるリスクをカバーするために計算する割増額をいう。
ネット・デルタ(δ)
先物取引のネット・デルタにオプション取引のネット・デルタの合計値を加減することにより算出。各銘柄のネット・デルタは、ネット・ポジションの絶対値にコンポジットデルタを乗じ、更に当該商品のデルタ・スケーリング係数を乗じることにより得る。

1ネットデルタ当たりの限月間スプレッド割増額
限月間スプレッド・リスクの過去の変動に基づき定めるSPANパラメーター。

最終決済証拠金額
固定値0(ゼロ)
株券オプション取引の場合のみ使用する項目のため、固定値0とする。
商品間スプレッド割引額
固定値0(ゼロ)
弊社の場合、商品グループが1つしかないため、固定値0とする。
売りオプション1単位あたりの最低証拠金額
取引所または清算機関が決定するSPANパラメーター。
日経225買オプション価値の総額
ロングポジション数量×ポートフォリオ調整済み清算値段×1000
日経225売オプション価値の総額
ショートポジション数量×ポートフォリオ調整済清算値段×1000

 

 

 

プライス・スキャンレンジの算出方式

 

①VI方式
—日経平均株価グループ、長期国債グループ、ダウ・ジョーンズ工業株平均株価グループ及びNifty 50グループ
②調整VI方式
—TOPIXグループ、JPX日経インデックス400グループ、TOPIX Core30グループ及びRNプライム指数グループ

 

 

※当社が定めるボラティリティ
①当社が指定する基準日におけるVI
②当社が指定する基準日におけるVIに、日経平均株価の基準日から起算して過去250営業日のヒストリカル・ボラティリティ(HV)に対する当該商品グループにおける原資産の基準日から起算して過去250営業日のHVの比を乗じた数値

①、②の双方において、当社が定めるボラティリティは、基準日におけるVI(調整VI)又は基準日から起算して過去5営業日間のVI(調整VI)の平均値のうち小さい方の数値とする。ただし、当該数値が、基準日から起算して過去250営業日間のVI(調整VI)の平均値又は基準日から起算して過去500営業日間のVI(調整VI)の平均値のうち大きい方の数値を下回る場合は、当該大きい方の数値を当社が定めるボラティリティとする。